忍びの国から学んだことNo.4
また日にちが空いてしまいました🤦🏻♀️
今日は感想文をせっかく書いているので無門の境遇に対して持った感想を率直に書こうかなと思います。
どんな悪役であろうと結局智が演じてる事で私は愛してしまうし贔屓目を使ってしまうので無門を大野智とは別の人間として考えてみました。
そうしたらもちろん愛す部分の方が多かったし可哀想だと同情することもあったのですがそれとは別に報いは受けるべきなのではないかという感想も持ちました。
報いとは?って思うと思いますが順を追って私が思った無門にとって当然の報いについて書こうと思います。
無門は幼き頃に他国から伊賀に買われ本当の名も知らず実力から「あやつの前に門は無し」で「無門」となりました。
名も知らぬほど幼き頃に他国から買われるという事が今の私達にとっては無縁の話で漠然と可哀想だと思う事しか出来ません。
無門は実力を確実に自分のものとし伊賀一の忍びになりました。
他の忍び達よりも遥か上を行く実力を持とうと、心はほかの下忍と同じに過ぎず、金のため、己の欲望の為なら殺しも厭わない、虎狼の族の1人に過ぎません。
無門は下忍同士の小競り合いにそこまで積極的に参加している描写はなかったですが無門が家同士の小競り合いに本気で参加していたら、と考えたらゾッとします。全員命を落としてしまうんじゃないか、、、
そんな無敵の無門にも敵わないものがある、そう「お国」です。
お国はいっけん普通の人の様に思えますが安芸の武将の娘だからか意外にも血気盛んで誇り高く自らが戦に出るとまで言い出す気の強い人です。
そして、伊賀の者ではなかったはずなのに銭への欲は伊賀者よりも凄いのではないかと思います、(笑)
前回の更新で触れたように無門の心変わりの背景にはお国に加え平兵衛もいたのです。
人との関わりと他者の感情の起伏に向き合ううちに自分の中にある人間らしさが芽を出して無門は少しずつ、けれど確実に変わっていっていました。
平兵衛に「術にはめられていた」と言われた時こそ反応はなかったですがその言葉は無門の記憶にしっかり焼き付きそれはやがて怒りに変わりとうとう雇い主であった百地に反抗するのです。
しかし、正しい道への1歩だったその怒りが無門の大切なものを奪う事件の発端になってしまったのです。
お国の死です。
無門が初めて見せる感情的な自分。何度見ても心苦しかったです。
けれど冷静になって考えてみたら、己が欲望のために何の感情もなく殺された次郎兵衛、その他下忍や将軍にも愛する人達がいたに違いありません。
無門がお国を愛し、命失くす時泣き叫んだように彼らを愛し彼らの死に絶望を感じた家族や友人が必ずいたと思います。
無門は自分が最愛の人を亡くす当事者になる事でようやく、人の死の重さ、銭よりも大切なものがある事を知るのです。この時少しでも無門の脳裡に父を殺められ命をかけた願いを無門に託した北畠凛が蘇っていたらいいなと思います。
自分が無敵だった故、なかなか気付くことの出来なかった命の重み。これを自分の様に、それ以上に大切なものをなくす事で知る。残酷で悲しい事ですが私はこれこそこの映画の戦国エンターテインメントに隠された大切なメッセージだと思います。
報いという言い方はあまり良くないけれど無門が今まで無意識でしてきた悪行が何とも大きな仕打ちとなって帰ってきた、と思いました。
今改めてこうやって書いていたら和田竜さんを始めとした忍びの国に関わった人達にとても頭を使わされてるなと思いました。
用意されたものを見て感想を書くのですらかなり頭を使うのにそれを自らの頭で考え人にここまで感心、感動させるのは本当に素晴らしい仕事だと思いました。
あと少しで忍びの国の感想文も終わりにしようかなと思います。
今日も長かったですが読んでくれてありがとうございました🙇🏻